第16回世界農業遺産勉強会

持続可能な農業を考え、教材開発を行う「世界農業遺産勉強会」をはじめて、今回で16回、よく続きました。すばらしい。

今回も、『農業がわかると社会のしくみが見えてくる』(生源寺眞一、家の光協会、2010年)の講読です。今日は2限目「先進国=工業国、途上国=農業国」は本当か?」で、阪南大学の祐岡先生が、すごいレジュメを作成して下さいました。こちらです。

食料は先進国から途上国に流れているのが事実であり、その背景には、先進国と途上国の農業力の差があると著者は指摘しています。その差とは、労働生産性と土地生産性、そして土地装備率です。さらに先進国側が農業保護政策が先進国における農産物の増産を支えることで、国際市場での供給過剰の傾向が強まり、それが途上国の農業発展を阻害していると述べています。(先進国は農業を保護し、途上国は農業に課税することで、その傾向に拍車がかかっています)。
なかなか奥が深いですね。

また、研究の方向性についても協議し、だいたいの目途がつきました。

「農業の持続可能性を多角的に検討する」

  1. 世界農業遺産を ①環境面、②社会面(農村コミュニティなど)、③経済面から検討し、持続可能性のために必要な条件を抽出する。
    山方:ブランド化←経済面   祐岡:複合農業←環境面・社会面を中心に
    それらを支える農村コミュニティやシステムを明示化する
  2. 農業には水と・土が大切
    中澤:有機肥料による農業と地下水の質 それを維持するシステムやコミュニティ
  3. 持続可能な稲作農業
    大西:佐渡の取組に注目し、システムやコミュニティを明らかにする

次回は、8月30日(水)17時30分~ 担当は大西先生です。